辻野商店では小麦の集荷受入の最中です。

当然、小麦の調整作業もまだまだこれからですので、製品歩留まりなどの状況については詳しくはまだはっきりとしていませんが、

今のところ、今年の小麦は豊作の年ではないように思います。

 

なんと言っても、今年の7月は記録的な暑さの上に雨も全然降りませんでした。

そのため6月の1日、15日の生育状況調査では平年よりも2日生育が遅いのではないかとされていましたが、

その影響は全くなくなったどころか、むしろ平年よりも早い収獲になったと思われます。

そしてこの干ばつによって品質が低下し収量が落ちてしまった…と言わざるを得ません。

 

弊社では小麦の受入をしているので生産者の皆様の小麦を拝見させていただいてます。

そこで思うのは、先ほど干ばつによって品質の低下が起きたと言いましたが、品質が悪くない人ももちろんいるということです。

そして受入の段階でわかるのは、そういった人は収量が多い方だということです。

こういった、結果が良い人悪い人に分かれる年こそ、どうすれば安定多収を目指すことができるのかを考えさせられます。

 

農作物は土づくりから輪作体系、追肥や防除など様々は要因がありますので安定多収を目指すのは簡単ではありませんが、今の時期にしか考えられないことが多くあります。そのうちの一つが小麦の播種量です。

播種量は作物の収量に大きく作用します。多すぎてしまっては、倒伏の危険性が高まります。しかし少なすぎてしまっては穂数が減りますので多収に結びつきにくくなってしまいます。

では反当何kgで播種するのが適正であるのか。こればかりは地域によって異なる値が公表されているかとは思います。

そしてここまで言っておいて何を言っているんだと思われてしまいますが、適正な播種量は生産者の皆様によって違うと思います。

圃場条件と天候と作業内容次第で、発芽率とその後の生育の進み方が変わってしまうからです。

なので、まずは今年の生育を振り返って播種量を考えてみてほしいと思っています。

 

今年の小麦の収量はどうでしたでしょうか。

自分の目標に届いていなかったとしたら、小麦の生育後半はどうだったでしょうか。

もし、止葉期の有効茎数が十分な量以上であったにもかかわらず、結果細麦であったとしたら、播種量を見直してみるのも手だと思います。

圃場に対して茎数が多すぎる可能性があります。そしてその茎数のコントロールは播種量から始まります。 

近年では播種量を減らして多収を目指す技術が普及されつつあります。(きたほなみに限ります)

もし思うような結果になっていなかったとしたら、今までとは違う技術として検討してみるのも一つの方法かもしれません。

 

私たちとしては、お客様には毎年安定して豊作であってほしいと思っています。

その年の天気によって収量は変わりますから、不作の年だったとしても、その中で少しでも多くなってくれればと思います。

そういった営農のお力になれるよう、今回の播種量から収獲までの間の管理について、少しでもお役に立てればと思っております。

何かお問合せありましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。