当別町ではお米の収穫が始まってきております。

まだ一部ではありますが、ただ刈り始まった以上はこれから本格化していくことだと思います。

昨年からみても1週間以上は早い生育であることは間違いありません。

小麦の播種とお米の収穫と忙しい日が続くと思いますので、事故やケガなどないようにどうかお気を付けください。

 

今回は飼料用米についてのお話です。

実は辻野商店では飼料用米については希望される方がいなかったこともあり、今まで集荷はしておりませんでした。

ところが米の需給バランスによって主食用米の作付けが見直されたこともあって、今年からはそこそこの件数の飼料用米を受け入れる予定です。

そこで、収獲が始まりつつある今、飼料用米とはどのような検査になるのか、どのような物でいいのか、簡単に説明してみたいと思います。

 

まず飼料用米は飼料用もみと飼料用玄米に分かれますが、ここでは飼料用玄米についてお話していきます。

 

飼料用玄米の検査は合格と規格外の2区分となっており、

水分、被害粒、異種穀粒、異物の混入限度が規定されているものになります。

各項目別にお話をしていきますと、

水分は16%以内が規定となっています。

しかし、主食用米とは違って、基本的に無調整で籾摺りをしただけの状態で出荷ですので、中に入っている青米が水分をもどしやすくなっております。

そのため、出荷後に水分が戻るなどしただけでなく、その後の長期保管によってトラブルが起きていると聞き及んでおります。

こればかりは出荷先との話し合いですので、乾燥水分はご自身で設定する前に相談しておく必要があると思います。

 

そして被害粒ですが、飼料用玄米においては発芽粒と病害粒と芽くされ粒の3つしか被害粒扱いになりません。

虫害粒、胴割粒、奇形粒、砕粒等は被害粒扱いにはなりません。

さらにその混入限度も25%までと設定されておりますので、主食用米の検査とは随分変わります。

 

そしてもみの混入限度は3%ですので、決して入ってはいけないというわけではありません。

籾摺りから直で入れた場合に、機械によっては籾殻が入ってしまうかもしれないと不安な声をいただいていますが、入ってはいけないわけではありませんので、限度の範囲内になるのかどうかで考えてみてもいいかと思います。

 

また、麦については1%まで。もみ及び麦を除いたものについても1%まで。

異物も1%までの混入限度となっています。

 

そして各混入限度の見本については、下記の農林水産省のHPにて公開されています。

《飼料用もみ及び飼料用玄米の検査について》

数字では中々イメージしにくいと思いますので、非常に参考になるかと思います。

 

以上の基準をもって、飼料用玄米の検査を合格か規格外かという検査を行っていきます。

飼料用玄米はどの程度のものでいいのか?という相談をよく受けましたので参考になればと幸いです。

 

そして注意点として、違反行為があります。

それは、主食用米等から発生したふるい下米を飼料用米のかさ増し等に使う行為です。

これだけは絶対にしてはいけません。

ふるい下米関係なく出荷できる飼料用米ですので、それができるように考えてしまうかもしれませんが、これは違反行為に該当します。

これが確認された場合、その名称及び違反事実の公表、経営所得安定対策に係る全ての交付金の返還、当該取組の認定を取り消すと共に、一定期間新規需要米や加工用米の生産を認めない などといった措置が講じられます。

 

少し怖い話もしましたが、検査規定からもわかるとおり、飼料用米として出荷予定のものをそのまま出荷さえすれば問題ありません。

なかには混入限度以上の判定になり、規格外判定になってしまうこともあるかもしれませんが、そうならないように規定通り契約通り出荷できれば、交付金もついて主食用米を作付けした場合の収入と遜色ないぐらいの収益がでることになると思います。

 

これからの情勢を考えますと、主食用米の面積はますます減らしていかなくてはならない状況になると思われます。

その時のひとつの選択肢に飼料用米がありますが、交付金あっての飼料用米ですので、作付けの環境と交付金の内容によって作付けを検討してみるといいかと思います。