水稲の側条施肥は多くの方が取り組まれており、肥料成分にもよりますが、大体反当20kg入れているかと思います。
この側条肥料を高窒素型にすることで、従来は反当20kg入れていた側条肥料を反当10kgに減らすことができ、作業効率が向上するといった技術が昨年4月に新聞で発表されました。
一部地域では既に取り組んでいるかもしれませんが、当別町ではまだ取り組んでいる事例を確認できなかった事もあり、弊社ではこの肥料を扱う事ができないかと動いていました。
この高窒素側条肥料の実態は、15日型の被覆態尿素が使われている事にあります。
高窒素でありながら速やかに溶け出すことで側条肥料としての役割を果たすだけでなく、超リニア型の被覆態尿素は従来の被覆態尿素よりも粒ぞろいが良く、そして湿気に弱くない為、側条に適しているとも言えます。
中央農業試験場の試験結果によると、側条施肥してから7日から10日には窒素成分の半分以上が溶け出し、積算気温500℃を超えるとほぼ全て溶出しているという結果がでています。
さらに、今回試験で使用している高窒素型側条施肥の肥料成分は窒素が35のリン酸が14です。
もし窒素が14の肥料を施肥しているとすれば、半分以下の施肥量で同じだけの窒素量をまかなうことができます。
作業省力化だけでなくコスト低減も狙う事ができる可能性があります。
ただ、もちろんいいことだけではなく、注意点もあります。
一番気を付けなくてはならないのは、施肥量を落とすためのダイヤルの調製です。
量が減ることで施肥ダイヤルの調製はかなりシビアです。また、被覆態尿素を使用しているのでBB肥料となっています。
この点で狙った施肥量を落とすことができれば、十分な効果を期待できると思います。
そしてここまで紹介していて、この春先に弊社ではご用意することができませんでした。
それは15日型被覆態窒素を手配することがなかなか難しく、製品化できなかったからです。
しかし先日、この15日型被覆態窒素を手配する見込みができました。
もちろん、だからといって金額が従来の側条の2倍3倍の金額になるわけではありません。
ですが、現状安定供給の見込みが立ちませんし、何よりも製品を側条として使用できるかどうかの確認ができていません。
それでもご興味ある方がいらっしゃいましたら、試験という形で提供できるかと思います。
辻野商店 担当 兵藤までお問合せください
下に、昨年4月に新聞に掲載されたときの画像を載せておきます。