当別町の小麦はいよいよ収穫が始まります。

この時期は確認もして回ったりしていますが、大体27日ごろから始まるかというところです。

今までの悪かった天気はどこにいったのか、天気予報も小麦収穫日和ないい天気が続きそうです。

作業的には雨前に急いで刈り込まなくてはいけないような天気ではないので、今年は青いところが仕上がるのに合わせて収穫した方がいいのかもしれません。

こればかりは収穫してみてからですが、この天気が続くようなら作業的には助かりそうです。少々暑いですが…

 

さて、今回はゲパード1キロ粒剤について、試験事例を交えてご紹介です。

このゲパード1キロ粒剤は、アルテアという新除草成分が入った水稲中後期除草剤です。

実はお客様の中に、水田の水持ちが非常に悪いことから、ホタルイが大量に発生して困っている方がいたので試しに使ってみてもらったのです。

すると非常に面白い結果になったので、写真で載せます。

まずは除草剤散布時の写真。これは6月18日のものです。ゲパードを播いて3日目です。

前処理除草剤を使用して田植えが5月末に終わり、一発剤を撒いているのにも関わらずこの状態です。

初期発生のホタルイを抑えても次から次へと出てくるので、去年までは後期剤として部分的にワイドアタックなどを使用していました。

それでも7月に入り出穂間近になってもビッシリとホタルイが生えて困っていた…というのがこの圃場です。

 

今回の試験は、ホタルイに対する効果の確認もありますが、ゲパード粒1キロ粒剤を部分的に使用しても効果が期待できるのかといった事も試しています。

この圃場はホタルイが多く発生する場所と少ない場所と別れています。

ゲパード粒剤を圃場一面に撒くのは大変…ということで、悪い場所にだけ使用しています。

それでも、粒剤であることから、局所的に使用すると薄まってしまうので、メーカーと相談し、1.5倍~2倍の濃度で使用するようにしています(実際に使用したかは定かではありません)。

つまり、1反に2kgといった具合です(例えばです)。そうすることで、局所的な仕様で薄まる事を想定しても効果が期待できるのではないかとしたのです。

 

それから、約1か月後の写真がこちら

畦間もスッキリして、散布時にはあったホタルイもなくなっているように見えます。

さらにいうと、後発性のホタルイを抑えているのか、その後の発生も感じられません。

アルテアはホタルイにも強く、長くしっかり抑えるというチラシを見たのですが、試験圃場を見る限りではそのように感じます。

しかし、その効果は草丈10cmまでとしていました。ですが、写真からもわかるように、10cm以上あったものも枯殺しているように見えます。

ちなみに、隣の圃場で除草体系も全然違うところですが、ゲパード1キロ粒剤を使っていないところの写真はこちらです。

 

 

 

ホタルイが残っているのはもちろんですが、後発性のホタルイは抑えることができずに少し奥に行くとビッシリと生えているのがわかります。

写真からもわかると思いますが、ここも水持ちが悪い圃場です。

この圃場と比較してみると、今回はゲパードが非常に良く効いてくれたのだと思います。

 

ゲパード1キロ粒剤は、中後期除草剤ですが、バサグランなどとは違い、落水せずに散布することができます。

さらに、ノビエなら4葉まで。ミズアオイは6葉期まで(ヘラ葉抽出前まで)、オモダカは矢尻葉3葉期まで、ホタルイとシズイは10cmまで、コウキヤガラは20cmまで効果が期待できます。

そして移植後14日~収穫60日前までならいつでも使用できます。

問題点としては、効果の発現が非常に遅いという事です。

今回のホタルイもそうですが、枯れてくるまでは3週間はかかります。逆を言うと、3週間待って効かなかった時は手の施しようがありません。

しかし、枯殺しないまでも、薬剤が効いている時は雑草の生育が進まない様です。

確かに、今回の圃場でも、枯れてはいないけれど、大きくならないで止まっているホタルイがありました。

効いているのかどうかは、雑草の生育が進んでいるかどうかを確認するしかありません。

しかしそれを除けば、今回のホタルイの圃場に関しては非常に効果が高かったと思います。

お客様も、これで今年は苦労せずに収穫できると喜んでくださいました。

私個人的にも、こんなに効果が出るとは思わなかったので驚きました。

来年は一発剤を抜いて、前処理剤との体系処理を試してみたいと思います。

コスト的にも効果的にも良い除草体系を組めるようになるかもしれません。

 

そんなわけで、まるで嘘のように効果がハッキリと出たゲパード1キロ粒剤の試験結果の紹介でした。