寒い日が続いており、当別町では一気に雪が降りました。

局地的な降雪だったということで、西当別と当別町月形寄りとでは雪の積もり方が全然違います。

10~20km程の距離の中で、こうも雪の量が変わるものかと驚いています。

 

今回は先月登録内容が変更になったばかりのトレファノサイド乳剤についてです。

トレファノサイド乳剤は小麦の土壌処理や茎葉処理において広く使われている除草剤です。

小麦連作圃場が多い当別では、スズメノカタビラが問題雑草として大量に発生する圃場もめずらしくありません。

そんなイネ科雑草であるスズメノカタビラに対して効果が高いのがトレファノサイド乳剤です。

しかし、秋播き小麦においては、播種後の土壌処理で使うか、小麦3葉期までの秋口の茎葉散布しかできなかったのです。

そうすると、叩きそびれてしまった、もしくは後発性のスズメノカタビラは春先に顔を出してしまいます。

ですが、今までその春先に叩く事のできる農薬がなかったのです。散布できる登録がないのです。

 

しかし、ここにきてトレファノサイド乳剤の使用登録が

「小麦出芽後~3葉期まで」とされていたのに対して、「小麦収穫45日前まで」に変更となりました。

これはどういう事かというと、収穫45日前の散布であれば、小麦が何葉期だったとしても散布が可能だということです。非常に大きな意味を持ちます。

つまり期間だけで言うと、春先から止葉抽出期あたりまでは散布ができることになります。

まずもって、北海道の秋播き小麦で春先にスズメノカタビラを抑えることができる事が、今までとは全く違う防除体系を生み出す可能性があります。

 

もちろん注意点もあります。

それはまず、いくら茎葉散布可能とは言っても、トレファノサイド乳剤の効果としてイネ科雑草1葉期までの登録しかないということです。それ以降はもちろん効果が落ちます。

さらに、散布回数制限があることです。

トレファノサイド乳剤は小麦に対して2回までの散布です。

例えば秋、播種後にガレース乳剤を散布した後、トレファノサイド乳剤を散布した場合は、ガレース乳剤にもトレファノサイド乳剤の成分が入っていますので2回散布した事になります。

よってその場合は春先に散布できません。

そしてガレース乳剤とトレファノサイド乳剤を混ぜて散布したとします。

この場合は薬量は2回分ですが、1回しか散布はしていません。

しかし、今のところは2回分散布したという扱いになるそうです。注意が必要です。

 

まだ登録が変更になったばかりですので、これからもっと使用適期などわかっていくことだと思います。

しかし、現段階でスズメノカタビラに悩んでいる圃場には有効な手段であると言えます。

これからお客様への通知と共に、使用する方がいれば、またその結果を研究してみたいと思います。